発見
「気まずさ」について考える
春日 武彦
1
1成仁病院
pp.60-66
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100997
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医療者の仕事には、いつも不安感がつきまとう。取り返しのつかないミスを犯すのではないか、容態が急変するのではないか、自分の手に余る患者と遭遇してしまうのではないか等々。漠然とした不安からやっと解放されるのは、臨床から引退をする日である。
精神科領域では、不安に加えてさらに「気まずさ」といった要素がつきまとうのではないだろうか。医療行為を直接行うか否かは問わず、精神関連の援助者にとっては「気まずさ」が喉の奥に刺さった小骨のようにいつまでも違和感を与え続ける。四半世紀ばかり精神医療に携わってきたわたし自身を省みても、喉の奥の小骨はいまだに抜け落ちた気配がないのである。
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