編集者から読者へ
「考えること」
所沢 綾子
1
1編集部
pp.10
発行日 1961年2月10日
Published Date 1961/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202263
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十何年ぶりの大雪に見舞われた今年は,各地で,きびしい寒さに御苦労なさつていらつしやることと存じます.昨年の1月,東北を旅行した折は,東北でもこの位の雪なのかと,東京を出る時,完全武装をして来た自分の姿をおもはゆく思つたものでしたが,今年は,雪のトンネル風景も見られるのではないかと,旅情をかられております.しかしこの雪への郷愁も,「遠きにありて思えばこそ」で,日日をその中で暮さなければららない生活の場であつて見れば,どんなにか大変なことかと思います.どうか,体に気をつけて頑張つて下さい.ただでさえ,交通のとだえがちな辺地に1人勤務していらつしやる保健婦さんが,くる日もくる日も白い雪の広野を前にして朝晩をむかえるとしたら,どんなにか淋しい思いでしようと,身につまされる思いです.それにつけても,辺地対策が国の対策としてすつきりした形になり,勤務交替も自由になつて,若い人達が,入れ替りできるようになれば,どんなにか明るい気持で辺地へ赴任できるのにと思うのですが…….
保健婦学校では卒業式が終つて,ぼつぼつ勤務先が決定する時期になりました.毎年のことながらどんな職場を学生は希望しているのか--これが今頃の大きな関心の1つでありましよう.
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