VOICE! 読者が語ります
返事ができずにいました
pp.4
発行日 2012年1月15日
Published Date 2012/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100963
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返事ができずにいました
内田朋子(元・恵愛病院(宮城県石巻市)/医療法人社団仁明会齊藤病院 精神科認定看護師)
石巻では、朝夕の風が冷たく感じられるようになり、もう秋が来たんだなぁと思う日々です。3月11日の震災から日々、看護師として、精神科の看護師として、自分自身を保つことに必死で、友人や認定看護師の仲間からの連絡にも、返事を送ることができませんでした。
これまでの経験では想像すらできなかったあの状況。大切な同僚を失い、24名もの患者様の命も救えず、日々笑い声の響いていた病棟もすべて津波のせいで、真っ暗ながれきで埋まった場となり、何もかも失ってしまいました。自宅も全壊し、愛犬も亡くしました。一人の人間として泣き叫び、自分の感情のままに行動していたら、もう少し楽だったのかと思ったりします。
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