特集2 クリニックで働くということ
【他のクリニックで働いているナースからのアドバイス】
3.私のやりがいのもとはやりたかった児童精神科と家族ケアの実践です
藤井 泉
1
1こころクリニック
pp.57-62
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100690
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■病院に来る前の時点でかかわれたら……
私は、看護学校卒業後すぐに大学病院外科病棟に就職しました。約5年間勤務し、出産を機に退職しました。半年間の子育ての間に、家の近くにある精神科単科の病院へ就職しないかという話があり、通勤に時間がかからないことと、精神科は学生の頃より興味があったことから迷うことなく決めました。最初はパート勤務で2年目から常勤となり、気がつけば25年間もお世話になっていました。
就職12年目に病棟看護師長に任命され、以後病棟管理や人材育成に取り組んできました。これらの仕事には興味もあり、やりがいもありました。反面、入院されている方々とのかかわりや成長過程、養育環境を知るにつれ、ご本人や家族に対しもう少し早い時期に何らかの援助があれば心の病が重くならなかったかもしれない、入院の必要はなかったかもしれないと思うようになりました。人が健康に成長していくためには幼児期、児童・思春期での生活体験が重要であり、その時期にできるだけ多くのよい経験を積み重ねることが大切だと考え、子どもたちと直接かかわりたいと思うようになりました。
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