連載 宮子あずさのサイキア=トリップ・53
人の闇にも寄り添う精神科看護!
宮子 あずさ
1
1東京厚生年金病院
pp.124-125
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100310
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ある日の緩和ケア外来
私はこの2年半、神経科病棟と共に緩和ケア病棟の看護師長を兼務しています。ここでは、死の不安を前にした患者さんの神経症的ともいえる対処や、そこに巻き込まれて苦しむスタッフの理解に際し、精神科での体験が非常に支えになっています。そのことは、すでに何回かお話しさせていただきました。
しかしそれとは別に、がんは人を選びません。精神科疾患をもつ患者さんががんになる場合も当然あるわけです。そして、全く精神科的な治療を受けておらず、この先も受ける気が全くない患者さんが、緩和ケアについての相談にやってくる。そんな事例をいくつか体験しました。これは、精神科でだけ働いていたのでは、経験できなかったことです。精神科に来る患者さんは、精神科的なアプローチを求めてくるわけですからね。
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