連載 下実上虚・1【新連載】
毎日毎日オシモの世話にあけくれる日々…
西川 勝
1,2
1井伊掃部町デイサービスセンター
2京都市長寿すこやかセンター
pp.80-81
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100226
- 販売していません
- 文献概要
ある看護師のため息
毎日毎日オシモの世話にあけくれる日々。自分の荒れた手をふと見て、「あぁ、なんで僕は看護師になって、こんなことばかりやってるんだろう」と思ってしまった。
そうだ。そのとおり。来る日も来る日もおしっことウンコの世話ばっかり。この“ため息”を聞いて、僕も痴呆病棟での日常を思い出してしまいました。その匂いまでも、ね。
仮眠から起きて目覚ましに入れたインスタントコーヒー。ぼんやりしているうちに飲み残しは冷めてしまった。体の芯にとぐろを巻いている疲れを、吹き飛ばすつもりで最後の一口を飲み込む。オムツ交換のチェック表を手にして、気合を入れる。寝静まった病棟の廊下はひんやりして、首筋が寒い。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.