トピックス
ギャンブル依存症の予防に医療機関と業界が動いた
星島 一太
1
1榎本クリニック
pp.94-96
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100067
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臨床で感じる相談の増加
最近、強迫的ギャンブリングに関する相談が増加しています。そのニーズに応えるべく、当クリニックでは2003年3月からギャンブル依存症者を対象とした夜間ミーティングを毎日開催することになりました。また、夜間ミーティングだけでは生活のリズムが安定しない人を対象に、2004年8月から、ギャンブル依存症者対象のデイナイトケアもオープンしました。またギャンブル依存症治療の啓蒙活動として、一般市民向けのセミナーも定期的に開催しています。
パチンコはいまや余暇産業第1位に
社会状況をみてみましょう。表1は日本の余暇市場の推移ですが、パチンコ・パチスロが他の娯楽を大きく放し、国家予算の70兆円に迫る、30兆円前後の巨大な市場になっています。表2は参加者1人あたりの年間消費金額ですが、1997年から、パチンコ・パチスロが競艇を逆転し、今では年間1人平均164万円もの額をつぎ込む高額なレジャーとなっていることがわかります。しかしながらパチンコ参加人数は年々減少しており、現在ではピークの半分となっているのです。これはどういうことかというと、多額の投入金額をつぎ込み、連日通いつめるヘビーユーザーの増加を示しています。
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