障害者自立支援法の成立

●衆議院解散と選挙

　この連載の原稿締め切りは、偶数月の月末である。8月に締め切りは、わりと楽に迎えられると思っていた。なぜなら、障害者自立支援法が間もなく成立するはずで、このことについての資料を早くから集めて準備していたからだ。それが8月の初めに、突然衆議院が解散され、この法案も廃案になってしまった。選挙はさまざまな意味で面白かったし、話題にもなったが、この法案がどうなってしまうのか、私は少し心配した。

　法案については反対意見も強くあった。これまで無料で提供されてきた医療や福祉のサービスが、収入によって程度は違うが自己負担しなくてはならなくなる点、そしてもう1つは、身体障害や知的障害の人たちへのサービスが精神障害と一本化されることについて、精神障害とそれらの障害は違う、一緒にされたくないというような議論があったからだ。