レポート 痴呆
痴呆ケアのいま
朝田 隆
1
1国立精神・神経センター武蔵病院老年精神科
pp.622-625
発行日 1999年8月15日
Published Date 1999/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902495
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痴呆症ケアは変換点を迎えた
介護保険に関する報道は連日のようになされ,高齢者介護への関心はかつてない高まりをみせています.こうした動きの中で,痴呆症患者のケアは精神科や神経内科領域の問題という次元を通り越して,まず一般医療の広い問題として認識されるようになりました.とともに一昔前では考えられないほどに,痴呆性疾患に対する世間の認識や知識も高まりました.「自分や身内が寝たきりや痴呆になったときにどれだけのことがしてもらえるのか」.多くの人にとって介護保険とはこのような問題として要約されているでしょう.
介護保険についてはスタートの時期,保険料,そしてその内容など多くの未解決問題が残されています.しかしその実施を目前にして痴呆症に対するケアの体制は大きな変換点を迎えています.
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