REPORT
稀少難病患者の在宅療養を地域で支える―5か所の訪問看護ステーションでかかわって
佐藤 詔子
1
,
藤田 陽子
2
,
君塚 やよい
3
,
田沼 充子
4
,
田村 政子
4
,
斉藤 喜久江
5
1南柏訪問看護ステーション
2柏訪問看護ステーション
3新柏訪問看護ステーション
4ほほえみ協同訪問看護ステーション
5はみんぐ訪問看護ステーション
pp.971-978
発行日 1999年12月15日
Published Date 1999/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901928
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1つのステーションでは限界が
訪問看護ステーションの制度が始まってから7年になる.平成9年に,市内に4か所の訪問看護ステーションが出来た時,市の訪問看護担当保健婦の提案で,柏市訪問看護ステーションの連絡会が発足した.柏市の訪問看護の質を向上させることや,保健・医療・福祉との連携をより充実させるために,お互い情報交換を行なうことが目的であった.経営状況,情報交換だけでなく,ざっくばらんな悩みも相談できるようになっていた.平成10年の連絡会で,柏訪問看護ステーションが訪問対応しているケースである皮膚科の稀少難病,先天性表皮水疱症患者に対して「もうこれ以上継続できない.限界だ」という話があった.9か月間訪問看護を行ない現在入院中であるが,退院後の訪問看護の依頼を受ける余裕はないとのことであった.このケースについて,他の訪問看護ステーションから援助ができないかという話が出た.
この患者(H氏)は4か月の入院後,小康状態となり在宅療養に戻ることになった.退院にあたり,市内5か所の訪問看護ステーションが協力体制を取り,保健所,医師会,市行政のサービスチームとも連携を図ることで,終末期の在宅療養を援助した.この事例を報告し,今後の課題についてまとめてみたい.
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