小特集 電話による健康指導と訪問看護
テレコミュニケーション・ナーシングが日本の医療システムに果たす役割
日野原 重明
1
1聖ルカ・ライフサイエンス研究所
pp.776-782
発行日 1998年11月15日
Published Date 1998/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901746
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日本の貧しい医療の実情
「3時間待ちの3分診療」──この言葉は日本の実情を現したものとしてどなたもご存じでしょう.
病院の外来はどこでも,まるでお祭りの雑踏のように混み合っています.東京の大病院では1日の外来患者の数は2,000人,3,000人というところが少なくなく,大学病院の中には1日4,000人を超すところもあります.私の働いている聖路加国際病院でも平日は2,200人もの外来患者が受診されます.待合いのホールもたいへん混み合い,ゆっくり腰掛けて待っていただくこともできないような状態です.そして何より困るのは,診察室で患者さんの訴えられる病状に医師が時間をかけてじっくりと耳を傾けることができないことです.
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