訪問看護と介護に必要な褥瘡の正しい知識
褥瘡の治療(3)
鈴木 定
1
1岡崎三田病院
pp.660-661
発行日 1997年9月15日
Published Date 1997/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901711
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◎在宅における褥瘡治療の実際
高齢化社会を迎えて,在宅療養で褥瘡の治療を行なうことは,今後ますます増加するものと考えられます.一般的に在宅では,マンパワーの整った病院に比較して,介護力は弱くなると思われますが,なかには非常に熱心な介護をされる家族もいらっしゃいます.実際,入院中におけるケアに負けない努力により,褥瘡を在宅で完治させた家族のケースも経験しました.しかし一般的には,在宅では介護力は弱くなり,褥瘡を発生あるいは悪化させてしまうことが多いようです.私たち医療者は,24時間マンツーマン体制で常に身近でケアをされる家族や介護者に対し,実行可能で正しい褥瘡ケアと治療の知識と技術を指導する必要があります.
前回までは,褥瘡の創の治療に用いられる薬剤(材)の解説と,創の状態における使い分けの原則について述べてきましたが,今回は実際に在宅で褥瘡治療を行なう場合の問題点を解説したいと思います.同時に,褥瘡の在宅治療において看護者や介護者が陥りやすいピットホール(落とし穴)についても,ケア面も含めてまとめてみました.
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