訪問看護と介護に必要な褥瘡の正しい知識
褥瘡予防の方法(3)
鈴木 定
1
1岡崎三田病院
pp.365-367
発行日 1997年5月15日
Published Date 1997/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901663
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部分用除圧用具
局所の除圧,ずれや摩擦の予防には部分用除圧用具の活用も不可欠です.体位や姿勢を保つための用具として柔らかな詰め物のピロやビーズパッド,スポンジなどを利用し骨突起部位を浮かせたり,挾み込むことにより,肘や膝,くるぶしなどが直接長時間触れあうことを避けます.このほか部分的な除圧にはフロテーションマット,ムートン,レストンなども使用されます.
踵部は褥瘡の好発部位の1つであり,従来円座が使用されていましたが円座は当たっている部分には限局した圧迫となり,ずれや血行障害を起こします.さらにまた円座を正しく当てるために体位が制限されるなど,褥瘡予防どころか褥瘡発生の原因となる危険性があります.このため現在では踵部だけでなく仙骨部でも円座は使用しない方が良いとされています.なお踵部の褥瘡予防には,踵部がベッドにつかないようにピロやビーズパッドなどで挙上する方法をとります(図1).
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