特集 感染症の予防と管理
褥瘡創部の感染
鈴木 定
1
1岡崎三田病院
pp.189-196
発行日 1998年3月15日
Published Date 1998/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901786
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はじめに
健常者の皮膚にも常在菌が存在するが,褥瘡が発症するほど圧迫され続けた局所の皮膚は感染を受け易い状態になっていることが多い.ひとたび表皮バリアーが欠損し褥瘡が発症すれば,皮膚組織の循環障害が改善しない限り壊死組織へと進展し,ここが細菌発育の温床となる(図1).
特に肛門に近い仙骨部や坐骨結節部,さらに大転子部などにおいてはしばしば尿や糞便などの汚染を受け易く,褥瘡部は大腸菌などの腸内細菌の感染に曝される.
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