訪問看護と介護に必要な褥瘡の正しい知識
褥瘡の基礎知識(1)
鈴木 定
1
1岡崎三田病院
pp.72-73
発行日 1997年1月15日
Published Date 1997/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901567
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◎はじめに
褥瘡に対する関心は高齢化社会の到来とともに高まっています.しかも国の施策により老人の長期入院患者は,病院から老人保健施設へ,老人保健施設から在宅療養へと誘導されています.このため私たち医療者は,在宅においても,褥瘡発生の予防やできてしまった褥瘡の適切な処置を行なわなければなりません.
現在,褥瘡については様々な点に関して誤解や混乱が存在しています.最近では全国各地で多くの褥瘡に関する啓蒙的な研究会や講演会が開催されています.このこと自体は,多くの人々に褥瘡に関心を持っていただき,また褥瘡の知識普及にとってありがたいことだと思います.しかしごく一部ではありますが,必ずしもすべての褥瘡の状態には当てはまらない治療薬剤(材)が,まるですべての創の状態においても有効であるかのごとく宣伝されたり,消毒の可否についても患者さんや創の状態に関わりなく画一的な意見が発表されたりして,現場の医療者の混乱に拍車を掛けているのが現状です.
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