連載 快適な療養生活のために―生理人類学への招待・12
生理人類学と看護・介護
原田 一
1
1東北工業大学工業意匠学科
pp.236-239
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901466
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はじめに
本連載も12回を迎えました。これまでは,生理人類学における人の捉え方に始まり,快適性の考え方,自然素材,肌着,寝具の快適性,高齢者に関わるさまざまな生活環境,さらに食生活と健康,音楽のリラックス効果などについて,最新の研究結果に基づき生理人類学的視点から興味深い解説がなされてきたと思います。
我々人類が自然環境の下で進化したことも既に述べられています。しかし,特に,都市部に生活する人々の多くは1日の生活時間の大半を人工環境下で過ごしているのが現状です。人間は自然環境に適応するために形態や生理機能を変化させてきましたが,現在では人工物,人工環境への適応を強いられています。便利さや快適さを求めて築きあげた環境やモノが我々に新たな試練を与え,問題解決を迫っています。
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