特集 在宅ケアにおける医療廃棄物問題
在宅ケアと医療廃棄物問題―その問題点と専門職の教育・研修について
伊藤 機一
1
,
市川 誠一
1
1神奈川県立衛生短期大学
pp.196-201
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901458
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はじめに
21世紀を迎え,人間の健康とより良い生き方(QOL)を支えるかなめとして,それまでの“医療”を中心とした体制から,“保健・医療・福祉”の三位一体による体制作りが着実に進められている。本稿の中心テーマ在宅ケア(在宅医療)はまさに病院・診療所による治療(キュア)から,予防医学(ケア)や,家庭という癒し系の環境下での療養・介護への展開であり,保健・医療・福祉を平等に包含している新大系として注目できる。従来,診療機関でしか行ない得なかった医療行為の範囲も,医療技術の進歩,医療関連専門職種の充足,医療政策の見直し等を背景に,最近の在宅ケアではかなり高度の内容のものまで行なわれるようになった。それに伴って排出される医療廃棄物の種類,量ともに増大し,われわれ医療関係者はただ手をこまねいて見ているだけでは済まされなくなってきた。
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