特集 慢性呼吸不全を考える
HOT・HMV適用患者の問題点―介護保険導入前後をとおして
大熊 直子
1
,
泉 明美
2
,
坂本 修一
3
,
平松 哲夫
4
1藤田保健衛生大学衛生学部衛生看護学科
2愛知県立看護大学大学院
3小牧市民病院内科
4小牧市民病院アレルギー科
pp.115-121
発行日 2002年2月15日
Published Date 2002/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901444
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はじめに
在宅酸素療法は日本では一般的にHome Oxygen Therapy(HOT)と呼ばれ,現在では代表的な在宅医療,そして最も成功した在宅高度医療の1つである。HOTの目的は,「患者の在宅療養,社会復帰を可能とし,QOLの向上を図ること」であり,その効果としては生理学的効果,予後の延長,QOLの改善があげられている。
85年にHOTが保険適用になってから,患者数は増加の一途をたどり,酸素業界推定値によると2000年で85,000人以上にものぼっている。また,医療機器の進歩によりHOTだけでなく,在宅人工呼吸療法(Home Mechanical Ventilation,以下HMV)を受ける患者は,鼻マスクなどの非侵襲的な療法も含めて4,500人以上と推定されている。
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