連載 ケアはつづくよ・9
お悔やみ訪問
飯島 惠道
1
1東昌寺
pp.786-787
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901378
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かつて私が訪問看護婦をしていた頃,当時の訪問看護部門では,住み慣れた自宅で最期の時を過ごし旅立たれた方に対して,「お悔やみ訪問」ということをしていた。旅立たれた方に対するご供養の意味と,残された家族に対するグリーフケアのための訪問である。月に1度の訪問診察の折に,その方のお宅を訪ねお線香をあげさせていただき,療養生活を送っていた日々のことなどを,思い思いに語り合い,互いの無事を祈念しつつ別れを告げる。
医療者と患者・家族の関係が良好な場合は,なんの支障もなく訪問に伺えるのだが,両者の関係がぎくしゃくしたまま看とりに至ったような場合には,お悔やみ訪問さえ断られる場合もある。このようなことを経験するにつけ,両者の間に良好な人間関係を結びながら,ともにケアのプロセスを歩むことの難しさを身を持って学ばせていただいたように思う。
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