特集 高齢者虐待への対応を学ぶ
特集7
虐待事例にかかわって―そこに起きている事実をみる
大越 扶貴
1
1日本社会事業大学大学院博士前期課程
pp.404-407
発行日 2001年5月15日
Published Date 2001/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901313
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はじめに
在宅支援のなかで,介護負担を軽減するようにサービス調整を行なっても,サービスを有効に使えない,サービスを拒否をする,過度にサービスを求めてくるなど,「何か変?」「あれ?」という違和感をいだかせるような事例に出会うことがある。これらは,介護サービスの量的な提供だけでは解決が困難な事例である。このような対応困難な事例のなかに「高齢者虐待」の可能性が潜在している。
筆者は,平成12年まで区直営在宅介護支援センターで保健婦として勤務し,上記のような問題意識から「高齢者虐待」を意識し,同僚とともにスーパーバイザーを招きながら家族システム論に基づき,事例検討を重ね援助を実践してきた。ここでは高齢者虐待の一事例を通して援助職の役割・あり方を検討してみたい。
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