小特集 在宅での急変とその対応
小特集1
呼吸困難に対応する―日常の看護から緊急時対応まで
小西 かおる
1,2
,
宮川 哲夫
3
1(財)東京都医学研究機構
2東京都神経科学総合研究所難病ケア看護研究部門
3昭和大学医療短期大学
pp.808-817
発行日 2001年10月15日
Published Date 2001/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901223
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呼吸困難──冷静に,的確に
呼吸困難(dyspnea)とは,dys(障害),pnea(呼吸)を意味し,呼吸に際して感じる不快感という自覚症状である。呼吸困難の原因と重症度はさまざまであり,必ずしも呼吸困難感の強さと疾病の重症度は一致しない。しかし,呼吸困難は療養者・家族にとって非常に不安であり,死への恐怖を感じる症状である。在宅における呼吸困難は,家族のみが対応しなければならない状況が少なくない。よって,在宅にかかわる専門職は,療養者が起こしうる呼吸困難の原因について十分に理解し,呼吸困難の危険性を最小限におさえるような予防的かかわりをすることが重要である。また,呼吸困難を起こした際には,家族が冷静に適切な処置が行えるよう指導することが大切である。さらに,療養者・家族が安定した療養生活を維持し,いざという時に対応できる支援ネットワークを構築することが不可欠である。
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