研究報告
訪問看護ステーションにおけるリスク管理の実態
吉松 恵子
1
,
中谷 久恵
2
1島根県立大学看護栄養学部看護学科
2広島大学大学院医歯薬保健学研究科
pp.740-744
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201023
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本研究の目的は、訪問看護師のリスク管理の現状を明らかにすることである。71か所の事業所に勤務する訪問看護師437名に、無記名自記式の質問紙調査を実施した。調査内容は基本情報、リスク管理に関する事業所内での取り組みとインシデントの実態である。回収は230名からあり、200名を分析対象とした。
対象者の平均年齢は49.2±9.8歳、訪問看護歴は平均7.5±5.6年であった。リスク管理研修が事業所内において開催されているのは73.0%、リスク管理カンファレンスの開催は88.0%であった。インシデント者の経験は70%であったが、経験者のうち43.6%は報告書を記載していなかった。インシデントの経験は「訪問日程」の間違いが最も多く66名(33.0%)、次いで「物品破損」44名(22.0%)であった。訪問看護の医療安全への認識を高めるには、インシデントが報告できていない背景を探り、研修参加を促進する方法を工夫していく必要性が示唆された。
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