連載 地域包括ケアのまちを歩く—コミュニティデザインの視点で読み解くケアのまちづくり・第4回
つながる・クロスするまちづくり—東近江魅知普請曼荼羅・チーム永源寺
山崎 亮
1
1株式会社studio-L
pp.929-935
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200583
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生業とボランティアの環のなかで展開される「地域まるごとケア」
滋賀県東近江市は、鈴鹿山脈を望む森里川湖といった自然豊かなまち。この地域では、職種・分野を超え、さまざまな人・団体がつながることで、地域が抱える課題を、地域のもつ資源を活かしながら解決するしくみがある。そうした地域の在り方は、地域に点在する“人的資源”を図示した「東近江 魅知普請 曼荼羅」にも垣間見ることができよう。住民それぞれの思いや願い、取り組みは、地域の緩やかなつながりによって紡がれ、ひとつのかたちになっている。
そんな地域で生老病死をささえる1人が、永源寺診療所の花戸貴司医師。しかし、ここでも診療所の医師や看護師といった専門職が“中心”になることはなく、近隣住民や寺、警察までも含んだ「チーム永源寺」の“一端”を担うにすぎない。住み慣れた場所で最期まで暮らし続けたいと願う人々の思いは、「専門職で」ではなく、あくまで地域ぐるみで叶えている。
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