特集 日々の「快」をささえ、可能性を広げる難病ケア
幸せは絶対値で測れるものではなく、取り戻せる
嶋守 恵之
pp.700-703
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200528
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私は発症8年目の筋委縮性側索硬化症(ALS)患者です。2011年11月に気管切開をして人工呼吸器を装着し、現在に至っています。気管切開を決断するにあたっていちばん恐れたのは、体の動きをすべて失い、いっさいコミュニケーションができなくなるTLS(totally locked-in state)の恐怖でした。そんなとき、東京都立神経病院の川田明広先生の講演を聞く機会があり、TLSの患者は全体の13パーセントと知りました。降水確率10パーセントではピクニックをあきらめないように、自分もがんばろうと思うことができました。このように、私にとってコミュニケーションは生死に関わる重要な問題です。
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