特集 認知症当事者とともに学ぶ
認知症本人が参画するロールプレイ—スコットランド認知症ワーキンググループ初代議長ジェームズ・マキロップ氏らによる専門職育成プログラムより
阿部 民子
1
1のぞみメモリークリニック
pp.189-195
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200404
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スコットランドの専門職を育てるためのプログラム
2015年11月、スコットランド認知症ワーキンググループの元代表で、認知症当事者ジェームズ・マキロップ氏注1は来日した際、都内の認知症専門クリニック(のぞみメモリークリニック、東京都三鷹市)を訪れた。そこで、認知症当事者が社会福祉サービスを利用する認知症の人の役を担った面接場面のロールプレイを行なった。これは、地元スコットランドの大学(University of Strathclyde)で医療や福祉の専門職を育てるために、マキロップ氏が中心となりつくったプログラムである。
このロールプレイは、与えられた設定に沿って認知症の人とその面接者が行なうものである。今回はその面接者役として、当クリニックに勤める筆者に声がかかった。会場には何人かのオブザーバーもいた。マキロップ氏とは通訳者を介して面接する。緊張するが、「何かおもしろそうだ」という好奇心と、このロールプレイを通じ、自分の対話の姿勢についてアドバイスがもらえることに魅力を感じ、引き受けた。
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