連載 介護することば 介護するからだ 細馬先生の観察日記・第45回
互いを“ナビゲート”するユマニチュード
細馬 宏通
1
1滋賀県立大学人間文化学部
pp.318-319
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200173
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もうすぐ新学期。毎年、新入生には、2人1組でアイマスクをつけた歩行実習を体験してもらっている。片方がアイマスクをつけて、片方がナビゲーター役になる。最初は廊下、それから上り階段、慣れてきたら大学の中を自由に歩いてもらう。
アイマスクを渡して装着してもらうと、すぐに「暗い!」「これで階段とか無理!」などと、きゃあきゃあ大騒ぎになる。ナビゲーター役はたいてい横でにやにやしている。明らかに、学生たちはアイマスクをつける人が主役のように思っている。でも、実を言うとこの実習の勘所は、ナビゲーターの側なのだ。それは、実際に歩き始めるとすぐにわかる。
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