特集 在宅で「肺炎」を予防・改善・治療する!―「それでも食べたい」との両立も
在宅における「高齢者肺炎」のあらゆる対策とは?―在宅療養の継続をめざして
岡田 晋吾
1
1北美原クリニック
pp.358-361
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102785
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在宅医療を始めて、早いもので10年が経過した。在宅医療に対する知識も思いも、急性期病院で消化器外科医をやっていたときとは大幅に変わってきている。病院勤務時代は、在宅では簡単な処置くらいしかできないだろうと思っていたが、今では病室内でできることはすべて在宅や施設内でも行なえることを知り、在宅でしか得られない心の安らぎや手厚い介護をしばしば経験できている。当院では、とくに制限を設けず在宅患者を受け入れているが、外来診療を主とするため訪問診療は午後に行なっている。平均30~40名の在宅患者を診ており、年間約25名を看取っている。
在宅患者からの緊急電話の理由で多いのは、がん患者では疼痛や嘔気であるが、非がん患者では「発熱」が一番である。そのほとんどは感冒などの呼吸器疾患もしくは尿路感染症であるが、なかでも「肺炎」は急激に状態の悪化を招き早急に治療方針を立てて対応しなければ不幸な転帰となってしまう。在宅医療に関わるものにとって、肺炎の予防とケア、そして治療についてのしっかりとした知識をもっておくことはとても重要である。
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