特集 吸引・胃ろう等をどう行なうか これからの“医療的ケア”【理解編】
―「医師」の役割―“医療的ケア”の「パーソナル・アシスト」をめざして
杉本 健郎
1,2,3
1すぎもとボーン・クリニーク
2NPO法人医療的ケアネット
3日本小児神経学会・社会活動委員会
pp.677-683
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102269
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このたび、「社会福祉士及び介護福祉士法」の一部改正(以下、改正法)により、高齢者に対する「不特定関係」下を含む喀痰吸引や経管栄養の“医療的ケア”の実施が介護福祉士等に委ねられた。後述するようにパーソナル・アシストとしての障害者支援を長らく行なってきた筆者の経験からすれば、これは「特定関係」下以外では考えられないことであったが、このたびの法改正が議論されるなかで不特定の高齢者に対する上記一部の医行為も“医療的ケア”と呼び、これに含まれることになったのである(ただし、厚生労働省の報告では“医療的ケア”の言葉は一切使用されていない)。これらの議論を通して、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィー症の患者に対する介護職等による自立生活支援の歴史を知らされるとともに、高齢者への“雑ぱく”な支援の現状を知ることになった。
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