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次号予告・編集後記
pp.92
発行日 2012年1月15日
Published Date 2012/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102102
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いよいよ訪問看護と介護の時代が来た。と、新春対談をまとめながら感慨が湧き上がってきました。読者のみなさんのこれまでの地道な実践の意義を確信し、また今後ますますの活躍に期待する内容です。人々は安上がりに死ぬために自宅や地域に戻るわけじゃない。新時代の価値基準は「“その人にとって”何が大事か」だとも指摘されました。でもそれって、家族でも一生を連れ添ってなお知り得ないのも稀ではないこと。誰かのそれに触れたり、まして共有できることは、とてもかけがえのないことに思えます。そこに近づき得る「長い時間」「濃い時間」をもてる状況が整っていくことを祈りつつ、『訪問看護と介護』は2012年も在宅・地域ケアを応援します。…杉本
人間どうしがお互いに幸せに生きるためのしくみが、時に人を縛ります。それでも、何らかの不便を甘受することで得られる利得がどれだけあるか―。そうした勘定抜きでは生き難いのは、時代を超えた世の常かもしれません。ナイチンゲールが「病院は、あくまで文明が発達する途中段階にあるものにすぎない。現在、病院は貧者が看護を受けられる唯一の場所であるが、究極の目的は、すべての病人を家庭で看護すること」と唱えたのは1876年でした。人が自ら選んだ場所で生きて、死にたいと願う気持ちも、時代を超えて続くでしょう。システムや共同体は、人間のためにあるもので、それ自体は常に更新されてゆけばよい。◎全国で日々歩まれる皆さんの足取りやその手触りを、今年も追ってゆきます。…青木
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