書評
『コンコーダンス―患者の気持ちに寄り添うためのスキル21』
谷藤 伸恵
1
1訪問看護ステーション やまのて
pp.166
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101801
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コンコーダンス(調和・一致)という概念は、1997年、英国王立薬剤師会が、ノンコンプライアンス(薬の飲み忘れや通院中断)の原因を患者自身の問題から当事者―援助者の関係性の問題へと視野を広げた報告書「コンプライアンスからコンコーダンスへ」から始まったといわれ、現在は、運動、食事、衛生など幅広い健康行動を取り扱う際の中核概念として用いられています。つまりコンコーダンスとは、「患者の価値観やライフスタイル、信念を尊重し、それに支援者が調和していく」ということを中心に置いて、対象者と支援者が対話しながら調和関係を形成し、対等な関係で健康行動の意思決定をしていこうという考え方です。
そのプロセスでは、対象者との調和関係をめざすための、コンコーダンス・スキル(専門的なスキルや介入)を習得することが必要になります。
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