特集 訪問入浴サービスへの思い
訪問リハビリと同じくらい大切なサービス―訪問入浴サービス事業の魅力とこれからの課題
西海 奉成
1
,
岩崎 美代子
1
1有限会社トータルライフケア
pp.738-741
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101417
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事業を始めたきっかけ
西海 23年前から,理学療法士として病院でリハビリテーションにかかわってきたのですが,当時,入院患者さんのリハビリにはかなりの時間を割いているのに,外来患者さんのリハビリは電気治療だけ,マッサージして返すといった程度で,わざわざ通院してきてくれるのに申し訳ない,もっとサービスを提供したいと思っていたのです。それで鍼灸の学校に行き,柔道整復師の資格もとり,しっかりしたリハビリのできる接骨院をつくろうと,会社をつくりました。その後,介護保険制度が始まり,医療からも介護からも患者さんを支えようと介護保険下の仕事もスタートさせました。
なぜ訪問入浴か?ですが,当時病院に勤務していたときは,訪問リハビリに行くことが少なく,訪問するととても喜ばれました。喜ばれるとこちらもうれしいですよね。ですが,ある日,リハビリしているときに訪問入浴サービスの車が来たんです。すると,その家の奥さんが,「あ,入浴だわ!」と,とても喜んで玄関に迎えに行かれた。寝たきりの夫をお風呂に入れてあげられると,一番いい顔をされていたように見えました。ご家族がこんなに喜んで迎える訪問入浴サービスは,奥さんにとっては訪問リハビリより大切なサービスではないかと思いましたね。
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