連載 高齢者虐待にどう対応するか・15
施設虐待対応の基本的な知識・2
和田 忠志
1
1千葉健愛会あおぞら診療所高知潮江
pp.502-505
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101353
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
引き続き,施設対応について話を進めたいと思います。なお,本稿で「施設」という場合,ケアを要する利用者が,基本的に永続的な住居として利用している「居住系サービス事業所」をさすこととします。
虐待防止は,施設従事者や管理者が「虐待という現象」を理解し,「法的な位置づけ」を理解すれば可能になるという性質のものではありません。また,「虐待を行なわないことを施設での共通認識とする」ことは極めて重要ですが,概念的な理解だけでは虐待防止の「実践」には困難が伴います。
すでに述べてきたように,虐待が生じるかどうかは,施設従事者の「スキルや経験の水準」による部分も少なくありません。また,「人員体制」が整備されているかどうかによっても大きく左右されます。また,それらのシステムも重要な要素です。この意味で,施設の理念や基本的な方針とともに,施設のシステム管理に,虐待防止が大きく左右されるということです。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.