連載 高齢者虐待にどう対応するか・13
施設における高齢者虐待とは何か
和田 忠志
1
1千葉健愛会あおぞら診療所高知潮江
pp.330-333
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101311
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はじめに
1年間の連載におつきあい頂き,厚く御礼申し上げます。これまでは,主に家庭内虐待を取り扱ってきました。今回からは,「施設」での虐待について述べたいと思います。
一般に,虐待は密室性のある空間で行なわれる傾向があります。しかし,高齢者の住む「自宅」は,介護保険施行以後,大きく密室性を失っており,外部の人たちの目が比較的行き届きやすい空間になっています。その意味で,自宅での虐待は発見されやすい傾向があるといえそうです。
しかし,施設の場合は必ずしもそうではありません。施設は,ある意味で外部から切り離された居住空間であり,密室性が保たれてしまう傾向があるのです。このような中で,ときに施設内従事者による虐待が行なわれる傾向があることがわかっています(p. 332~333のコラム参照)。今回は,施設虐待の第1回目として,基礎的な知識について述べてみたいと思います。
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