連載 ヒト・モノ・バをつなぐ認知症ケア―今日のデザインの役割・6
自立支援とその周辺・2
山崎 正人
1
1東海大学教養学部芸術学科デザイン学課程
pp.1040-1043
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101220
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本人―自立支援―道具
●行動と記憶の関係
2008(平成20)年9月26~28日,香川県高松市で第9回日本認知症ケア学会大会が開催されました。その特別講演はもやもや病と闘う整形外科医,山田規畝子先生の「高次脳機能障害を生きる医師として」。山田先生は,もやもや病で3度の脳出血を経験され,記憶障害,半身麻痺,半側空間無視と再発ごとに障害が増えています。
頭で考えることができても体が動かない,行きつけのスーパーで買いたいものが探せない。これらの戸惑いを医師として科学的に説明づけたいと,高次脳機能障害や神経心理学などの医学書を読まれました。その一冊に「生物の行動は基本的に全部記憶」1)という文章があり,その意味を知ったことで自分の障害が整理されたそうです。以後,障害を受け入れ,同じ障害をもつ人たちのカウンセリングを中心に医療に携わっているとのことでした。
もやもや病と認知症の原因は異なります。しかし,高次脳機能障害として類似することも多く,その観点からも話をされました(司会者代読)。
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