連載 ヒト・モノ・バをつなぐ認知症ケア―今日のデザインの役割・5
自立支援とその周辺・1
山崎 正人
1
1東海大学教養学部芸術学科デザイン学課程
pp.938-943
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101199
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本人―自立支援―家族
●「機会の障害」の“機会”とは
これまで紹介したメモや日記,その他の視覚表示物は母の認知症が軽度の頃に用いた初期支援です。実施目的は「曖昧になった記憶を補い不安を軽減する」「できることをできるかぎり継続する・できにくくなったことを補い,生活の支障を少なくする」ことでした。特に後者は本人の自信の維持・回復に重要な役割を果たします。
認知症は「病気」と「障害」の2つの側面をもちます。「病気」としてとらえた場合は認知症をきたした疾患の診断と治療が大きなテーマとなり,医療が主な役割を果たします。一方,「障害」としてとらえた場合は,本人とその家族の生活を支えることがテーマとなります1)。
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