連載 訪問看護ステーションの現場をあるく・9
福島へ
川越 博美
1
,
宮崎 和加子
2
1訪問看護パリアン
2看護介護政策研究所
pp.788-792
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101166
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緑が美しい五月晴れの日,福島県内訪問看護ステーション連絡協議会(会長は竹田訪問看護ステーション所長の遠藤幸代さん)の招きで,福島県郡山に行ってきました。竹田訪問看護ステーションは会津若松にあり,郡山から少し離れたところに位置しています。忙しい訪問看護の時間を割いて出会いの場をつくってくださり,福島でも多くの訪問看護師さんたちと出会うことができました。そして訪問看護ステーションが次々と閉鎖され休業に追い込まれるという逆風のなか,在宅療養者や家族をプロとして支え続けている訪問看護師の姿をみてきました。
医療的な技術や知識を提供するだけでなく,生活を支え,人が生きることの伴走者となっている訪問看護師に出会い,どれほど嬉しく,勇気づけられたことか。いま,訪問看護を停滞させているのは,一体何なのでしょうか? 私たちは深い洞察力をもって考えなくてはならないと思います。そのためには訪問看護で働く私たちが本音で語り合える場が必要です。政策的な誘導も重要だけれども,訪問看護師に支えられている在宅療養者を目のあたりにして,訪問看護は机上の政策や図に描いたシステムだけで発展していくものではないという思いがふつふつと湧いてきました。
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