特別記事
小さな車が大きく広げた素敵な生活―障害児と母のために特注車両をつくる
冨山 宗徳
1
1医療法人アスムス生きいき診療所
pp.213-217
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101031
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未整備な障害児の在宅ケアを支える仕組み
今年は後期高齢者医療制度の創設など高齢者医療を取り巻く環境が大きく変わるようだ。高齢者の在宅ケアに関しては,介護保険制度をはじめ,さまざまな社会的資源が整備され,同時に国民の関心が高く,メディアなどでもしばしば話題となっている。しかし,障害者の在宅ケアに関する報道を目にすることは少ない。さらに,現状では障害者自立支援法は成人に対するもので,障害児をその対象としていないため,重度の障害とともに暮らす子どもの在宅ケアをささえる仕組みは未整備といわざるを得ない。そして,重度の在宅障害児への社会的支援は医療・福祉・介護の領域を超え,教育や就労などより広い視点が求められる。
本稿は,先天性ミオパチー(ネマリン型)にて人工呼吸器を装着しながら在宅療養中の8歳男児が家族の介助で養護学校へ通学できるよう,車両改造に挑戦した記録である。
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