連載 時間を忘れて・12【最終回】
ぬくぬく火鉢
天方 晴子
pp.981
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100957
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五徳の上のやかんからはふわ~っと湯気が出ていて
「眺めているだけでもぬくぬくする感じだったわねー」と、もうすぐ80歳を迎える佐藤さん夫妻。
東北出身の旦那さんのお母さんが、「お嫁さんを大切に」と持たせてくれた2つの火鉢には、ほかほかの新婚生活の思い出が詰まっている。
さらにさかのぼれば、父さんは火鉢のやかんでお燗をし、子どもたちは小さなお鍋で炒り玉子をつくった。
卵に砂糖と醤油を少しいれ、スプーンでぐるぐるかき回す。
お鍋にこびりついた玉子を最後に皆で取り合った記憶も詰まっている。
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