東西南北
専門職
足立 正雄
,
広岡 達朗
,
郷司 浩平
1
,
杉 政孝
2
1日本生産性本部
2立教大学社会学部
pp.13
発行日 1968年8月1日
Published Date 1968/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914072
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専門職というものが出てきたのは,モトをただせば社会の分業化の結果であろうが,なかでも特定の事柄につき特別な知識や技能が要請される場合,その仕事が専門職とよばれているようだ。またそれは現代的傾向として“知的優位”を加味している。だから現在のところでは,専門職といえば一応偉そうにきこえはする。
昔から一種の侮蔑の気持をこめて職人ということばが使われているが,職人には一つの道を一途に進む精神がこもっていた。現在の専門職に,はたして精神までが要求されているだろうか。専門職と職人とは,“一芸に秀でる”という点で本質的に共通なものがあるが,ひろくみれば,あらゆる職種にそれが要求されているのが実際であろう。結局,あなたもわたしも専門職なのだ。この意識がみんなの仕事を進歩させれば結構である。ある人が専門職の名称は馬に与える人参のようなものだ,といったのはもっともなことだ。
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