連載 花凪の人々─なりたい自分になる介護・2
介護は,「一緒にいたい」がすべて
木村 美和子
1
1NPO法人在宅生活支援サービスホーム花凪
pp.620-621
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100747
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「わが家は変だ」
花凪1号館を始めてから半年間,私は下宿人と,新聞記者をしている夫,中学1年生の娘と一緒に暮らしていました。下宿人が2人に増えた頃,食卓での娘との会話です。
「うちって変だね」
「どうして?」
「だって,おばあちゃんが2人もいるよ」
「Tさんが父ちゃんのお母さんで,Kさんが母ちゃんのお母さんって思えば変じゃないでしょう」
「そうか。そうだね」
その頃は定期的にショートステイする方も2人いたので,気がつけば家族より他人のほうが多いという日もありました。
たしかに冷静に考えれば,「うちって変」かもしれない。でもその頃は,なりゆきで家族になってしまった同士が一緒に暮らしていくことに精一杯で,そんなことは考えたこともありませんでした。
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