対話による看護経済学のススメ・1
こんなことを一緒に考えてみたい
西村 周三
1
,
井部 俊子
2
1京都大学経済学部
2聖路加看護大学大学院博士課程
pp.60-63
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901798
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看護婦はおカネに弱い!?
この見出しは誤解を招くかもしれない.「お金の計算に弱い」というのが正確な表現だろう.医師も(悪徳医を除けば)決して強いとは思えないが,社会診療報酬制度が医業を中心に組み立てられているために,医師は自分たちの診療行為が常識の範囲を逸脱しない限り,いちいち保険点数を気にしながら診療を行なう必要はない.
この点は,看護婦も同様の状況にある.ただ,絶対的に違うのは,医師は自分が必要だと考えた検査を行ない,治療方法も選択できるのに,例えば看護婦が,この患者と1時間一緒にいて看護を提供すれば苦痛は和らぐのに,と考えたとしても,自分の思い通りにはなかなかならない点であろう.
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