特集 在宅で必要な薬の知識と服薬のコツ
在宅医療における薬物療法
和田 忠志
1
1あおぞら診療所
pp.572-579
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100740
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はじめに
本稿では,「現代的な在宅医療」の現場で行なわれる薬物療法と,その管理について,医師の立場から述べてみたい。
現在,在宅医療の現場では,経口薬に関しては,医師による「院内処方(訪問診療・往診現場での患者への直接的な投薬)」は次第に少なくなり,「院外処方」が次第に多くなっている。
在宅医療施行機関の圧倒的多数が開業医であることから,多種類の薬剤を院内に在庫し,麻薬や(処方可能な)医療材料を院内処方することは,実際には簡単ではない。このような趨勢に鑑み,経口薬に関しては,主に,院外処方を前提に本稿を記載した。
私たちは,千葉県松戸市および近隣都市の20か所以上の調剤薬局と連携しながら在宅医療を実施している。このような経験に鑑み,在宅医療の技術特性を背景にして,医師・薬剤師のみならず,幅広い在宅ケアチームの中で薬物療法を実施する場合の実態について私見を述べることにした。
また,注射に関しては,医師・看護師が訪問現場で実施するものが主流である。しかし,薬剤師が関わる注射液管理なども次第に多くなっている現状から,そのような注射液等の訪問薬剤指導についても多少の稿を割いた。
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