治療可能な病態COPD 診療の実際と展望
薬物療法以外のアプローチ 在宅酸素療法(HOT)
安藤 守秀
1
1大垣市民病院 呼吸器科
キーワード:
呼吸困難
,
酸素
,
生活の質
,
日常生活活動
,
酸素欠乏
,
予後
,
多施設共同研究
,
ランダム化比較試験
,
呼吸理学療法
,
在宅酸素療法
,
肺疾患-慢性閉塞性
,
動脈血酸素分圧
Keyword:
Activities of Daily Living
,
Hypoxia
,
Dyspnea
,
Oxygen
,
Prognosis
,
Quality of Life
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Multicenter Studies as Topic
,
Pulmonary Disease, Chronic Obstructive
pp.307-313
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008110811
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1980年代初頭のNOTTおよびMRCによる比較試験の結果から、安静時PaO2が60ないし55Torr以下の患者において、長期酸素療法は生命予後改善効果があると考えられる。安静時PaO2が55Torr以上の患者での予後改善は、証明されていない。夜間有意な酸素飽和度低下のある患者でも、それは同様である。酸素投与は短期的には労作時呼吸困難を軽減するが、長期酸素療法による患者のADLやQOLの改善は証明されていない。ただし呼吸リハビリテーションにおける酸素吸入の活用は、効果的であることが示されている。以上より長期酸素療法は、安静時に明らかな低酸素血症のある患者が適応であると考えられる。しかし、それ以外の適応基準についても、さらに検討を進める必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2008