けんさアラカルト
在宅医療
髙添 正和
1
1社会保険中央総合病院内科
pp.120
発行日 1996年2月1日
Published Date 1996/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902617
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1.在宅医療とは
在宅医療とは“入院中に高度な治療が終了し,フードサービスや看護体制を含めた一連の病院サービス機能を必要としなくなった患者を,在宅栄養指導,在宅服薬指導などを含めた高度な医療的支援の下に,患者ないし患者の家族が在宅で治療を自己管理すること”と定義づけられる.
在宅医療とは,寝たきり患者の介護を中心とした在宅介護と,ハイテク技術を駆使したhome infusiontherapyとに分類される.いわゆる寝たきり患者の多くが老人であり,必ず動脈硬化,高血圧など加齢に伴う病態を有しており,なんらかの積極的な医療アプローチが必要である.その対象となる老人の増加は著しく,在宅医療のシステムの完備は愁眉の問題となってきている.一方,癌患者に対する在宅中心静脈栄養法,在宅化学療法や,慢性呼吸不全患者への在宅酸素療法などの狭義の在宅医療(home infusion therapy)は見落とされがちである.このhome infusion therapyには,在宅中心静脈栄養法,在宅経管栄養法,在宅酸素療法,在宅透析療法(CAPD),在宅疼痛緩和療法,在宅抗生剤療法などがあり,いずれも高度な専門知識や技能を必要とするものである.
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