特集 生きることを支えるターミナルケア
尼寺にいて,生きることを支える
飯島 惠道
1
1曹洞宗東昌寺
pp.921-924
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100352
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看護師から副住職に
山高く水清らかな信州松本。涼しく爽やかなイメージが強いかもしれないが,流石に真夏ともなれば,盆地であることも手伝って日中の最高気温は35度を越えることもある。しかし朝晩は窓を開けると心地よい涼風が吹き込み,生気を取り戻すことができる。そこが信州松本のよいところ。ここは,都会でもなく田舎でもなく,人によって評価は異なるであろうが,ちょうどよい塩梅に「街」であり,私にとって,まあまあ暮らしやすいところである。
私は,松本駅近くの小さな尼寺の副住職をしている。寺に入る前は看護師として,蓼科高原のふもとの病院で働いていた。はじめは内科病棟に配属され,次いで地域ケア室配属となり,訪問看護に従事し,最後に勤務したのは緩和ケア病棟。入院・外来・訪問の3つの機能を兼ね備えた病棟であった。
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