特集 病・障害と生きる—患者からのメッセージ
出会い,支えられ,第三の人生を生きる
髙阪 久子
pp.302-306
発行日 2000年4月1日
Published Date 2000/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903439
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ふつうの暮らしが一転
14年前,この世にこんな病気があるなんて知らなかった私は,小さい頃からの夢であった教職に就き,尊敬できる伴侶に恵まれ,2人の子どもを産み,その後も仕事を続けていました.ただ,自分の能力のなさと仕事のきつさと人間関係のしんどさに押しつぶされそうになっていた以外は,ふつうの生活を営んでいました.
寝てもすっきりしない体をひきずり,疲れているせいだと思い込み,誰もがしているような気休めの対症療法を試みながら毎日を送っていました.しかし,首がガクンと落ち,コンニチハと挨拶しても元に戻らないという症状が出始めました.首のすわっていない赤ちゃんを,首を支えないで抱いたような状態です.自転車のブレーキがつかめない,荷物が持てない,腕が挙がらない(黒板の半分まで),しゃべり続けられない,服の着脱ができないなど,日常生活に支障が出はじめました.
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