特集 歩くこと,足元を確かなものに
歩楽健康法―足からの脳力つくり
山西 哲郎
1
1群馬大学教育学部保健体育教育講座
pp.480-482
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100270
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歩くとは
目覚めたばかりの体と心で外に出る。一瞬,風が頬に触れ,朝焼けの美しい色の刺激を受け,歩く。足の動きからさらに周りに敏感になり,道端の野の花をみつけ,花の香りを嗅ぐ。やがて,すべての感覚が新しく甦り,快適歩行になっていく。
かつて人類が四足動物から,直立二足動物のヒトとして歩き始めて,大きな進化を遂げてきた。それは重力に抵抗しながら大地をしっかり足で踏みつけ,手を自由に駆使しながら,体をつくり,心を豊かにし,脳を発達させていったからである。それは私たち人間の誕生からの発育過程にも見ることができる。右左の足を交互にくり返し動かすという単調な歩きから,多くの意義を見出すことができる。
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