特別記事
情報共有で患者の安全と満足度を高める―医療用医薬品の副作用対策に「患者向医薬品ガイド」の活用を!
久保 鈴子
1
1財団法人日本薬剤師研修センター事業部
pp.1045-1051
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100252
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
患者が“くすり”,特に医療用医薬品に求めるのは,「副作用がなく病気を治してくれるものである」ことです。しかしながら,薬は人体に対しては異物であるため,副作用の危険性を持たないものはありません。近年の医薬品開発の進歩は,切れ味のよい医薬品を市場に送り出して医療に貢献しています。その反面,これらの医薬品は,重篤な副作用の危険性も孕んでいます。そこで重要なのは,副作用を早期にキャッチして,患者の安全を確保することです。
昨今,患者や一般消費者の医療への関心の高まりに比例して,インターネットや新聞・雑誌等による医療情報が氾濫しています。これらの情報内容は発信する側の意図に任せられており,その信頼性などに関しては,自らの判断によって取捨選択しているのが現状ではないかと考えます。
医薬品は患者の手に渡った瞬間からその使用や保管管理が患者や家族に委ねられます。したがって,その医薬品に関する情報は正確に伝えられ,それに基づいて患者に適切に使用・保管されなければ,思わぬ弊害をもたらす場合があります。このような事態を招かないためには,患者と医療従事者が情報を共有して協力し合うことが重要です。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.