特集 咳、痰のみかた
Overview
痰の分類
角川 智之
1
Tomoyuki KAKUGAWA
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科呼吸器内科学(第二内科)
キーワード:
喀痰
,
漿液性痰
,
粘液性痰
,
膿性痰
,
血性痰・喀血
Keyword:
喀痰
,
漿液性痰
,
粘液性痰
,
膿性痰
,
血性痰・喀血
pp.1099-1101
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_1099
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Summary
▪喀痰は肉眼的には泡沫状痰,漿液性痰,粘液性痰,膿性痰,血性痰・喀血などに分類される.
▪漿液性痰は無色透明で粘度が低くサラサラした性状を示し,気管支喘息,気管支拡張症,肺水腫などでみられる.
▪粘液性痰は無色透明~白色で,粘度が高くネバネバした性状を示し,気道病変優位慢性閉塞性肺疾患(COPD),急性気管支炎の初期などでみられる.
▪膿性痰は黄緑色で粘度が高くネバネバした性状を示し,呼吸器感染症でみられることが多い.
▪血性痰・喀血は肺がん,気管支拡張症,肺梗塞,びまん性肺胞出血症候群などでみられる.
▪喀痰の性状から原因疾患をある程度想起することができるため,喀痰のみられる患者の診療では,患者から喀痰の性状を聴取することはもちろんのこと,できる限り医師自身の目で確認することが重要である.
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