連載 人工呼吸器とともに生きる・13
小川照美さんの場合(中編)
小林 明子
1
1福井県立大学看護福祉学部社会福祉学科
pp.86-91
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100017
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15年の在宅ケア態勢とそれを支えるサービス
前編では,小川照美さんのALS発病,そして人工呼吸器の使用開始後約15年間の在宅生活を振り返り,夫の暁さんにその思いを語っていただきました。今回の中編では,15年間のケア態勢とそれを支えてきた医療や福祉のサービスについて紹介します。
照美さんがこれまで紹介した人たちと異なるのは専業主婦であったということです。一家の稼ぎ手である夫の暁さんは,仕事を辞めずに妻の24時間のケア態勢を確立するために奔走しました。たとえ経済的な負担が大きくても,日中の8時間を家族以外の人がケアを担う態勢が必須でした。そして,人工呼吸器を使用して在宅療養を開始してから3年目に,現在の在宅生活の基本となるケア態勢が確立しました。
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